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※この話はTRY終了後を軸に、捏造と若干のオリキャラが混じった『ガウリイ総受け』です。
基本ガウリナ(リナガウ?)ですが、BL色が強いです。密かにゼロガウ(笑)
一種のパラレルとしてお読み頂ければ大丈夫かと思われます。
原作重視の方、BLが嫌という方、18歳以下の方はスルー推奨です。
「――リナ」
「分かってるけど、これって魔族?」
「と、思う。よく分からんが敵なのは間違いない」
上空の歪んだ気配を先に察知したのはガウリイ。続いて、リナも察知する。
彼女は一歩後ろに下がり、詠唱と連携を組みやすい位置に立つ。
やがて揺らぎの中から、黒い人の形をしたモノが現れた。
人の形をしているが、顔はない。中位クラスの魔族か、あるいは意図的に形を取らないだけか。
「見ツケタぞ」
顔らしき部分には口はなく。声はややくぐもった音で聞こえた。
人の形は手らしき部位で指す。
「がうりい・がぶりえふ――来テ、モラウぞ」
瞬間、指していた部位が伸びる。
奇襲のつもりなのか。
ガウリイは超人的な反射神経で避け、剣で斬りつける。
「なっ?!」
驚愕の声を上げたのはリナの方。危害を加える様子が伺えないからだろう。
持っている剣が普通であるためか、斬れないどころか逆に絡め取っている。
がっしりと抑えられ、距離を詰められる。
強力な術で牽制しようにも、ガウリイを巻き込みかねず。
「サア、来ルノだ」
まるで綱引きのように、互いを引っ張り合う。
人の形は、リナの存在は眼中にないらしい。
彼女にしてみれば無視されている状況に怒りたい所だが、今はこのフリー状態を有効利用する。
「烈閃槍!」
顔らしき部分めがけて、増幅版で放つ。
人の形は避けないのか、あるいは避けることが出来なかったのか。
まともなダメージを受けたらしく、手らしき部位を引き下げ、顔らしき部分を押さえる。
「やった、のか?」
「ダメージは与えられたみたいだけど……ガウリイ、何か狙われるようなこと、した?」
「し、してないぞ! リナならいろいろ恨み買ってそうだから、分かる――」
はっ、と気づきリナを突き飛ばす。
空気が歪み、何かが二人の間を過ぎる。
チリッと髪の毛先が切れる。真空の刃、だろうか。
次いで、再び手らしき部位が二つ、伸ばされる。
一つは首に。
もう一つは口を塞ぐ。
「んぅ?!」
異物が喉まで届かん勢いで侵入する。
温度はない。何にも喩えられないモノは、探るかのように何度も何度も動き回り――
「獣王牙操弾っ!!」
意識が遠のく瞬間、リナの術により手らしき部位が崩壊した。
「っ、ゴホッ!」
吐き出す異物。
苦しかったのは首より、口。
駆け寄ったリナの回復魔法により、ガウリイは呼吸を取り戻した。
「邪魔、サレタか。ダガ、今ハ仕方ナイ。マダ、時デハナイ、ノ、ダロウ……」
人の形は終始、ガウリイから視線(いや、意識だ)を外さず。
「イズレ、迎ニ来ル。がうりい・がぶりえふ――白キ…………シ…………よ」
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